永野先生から手術中のレポート


昨日はご苦労様でした。まさか今日コラムが載っているとは思いませんでした。 脱帽!!
昨日の手術はなんのトラブルもなく順調にいきました、導入直前もきわめて紳士的でしたよ。前方切除のつもりで 腫瘍の肛門側向こう側まで掘り起こし切除に成功、ただちに腸をひらき皆で検討、約5分くらい手術が中断しました (5分の手術中断は長く感じますよ)、腫瘍は肛門側断端から約5mm、機械のきりしろを含めて1cmあるか どうか、、、、。足利先生はせっかく腫瘍の向こう側までほって切除もできた、おそらく繋ぎたかったんでしょう、 あきらかに困惑していました(切除ができたんで、繋ぐことは可能でした)、私は先生の病院外での姿もすこし 知っていますので、QOLか予後か、非常に苦しい選択でした、でものぶさんの1cmないのを繋いじゃだめ、 予後を取ろうよとの意見、いやー重みのあるお言葉でしたよ、そのひとことでただちに手術は再開し腹と会陰 との2方向からの攻めが始まりました。実はのぶさんの佐藤病院での最初の手術が年齢も、腫瘍の状況もそっくりの かたでした、前方切除大成功と大喜びしたのもつかの間、断端再発しReopeマイルスしましたがこのオペが癒着が すごく10時間かかり、深部静脈血栓症も併発というさんざんなものでした。昨日も術式決定後私の耳元で 『Tさんの二の舞いはいやだよ』とささやきました。のぶさんいなかったら繋いで得意になっていたかもしれ ませんね。
ところで痛みはいかがですか、いま痛みは積極的に除去してむしろどんどん動いた方がいいということになって ますので、遠慮せずくすり使ったらいいでしょう。また最初のおかゆの味、最初の一服の味などおしえてください。


永野 嘉昭
2004年4月16日