キワムのコラム 第9回

年末の挨拶

年末年始にまつわる挨拶は、私は好きではありません。

まあ、私がずぼらなだけということだろうけど、年賀状や暑中見舞いも成人してからは書いたことがない。 お中元、お歳暮も、頂くくせに、自分ではしない人間なんです。年末の挨拶を仕事納めの30日にして、 年始の挨拶を4日か5日する、その間の数日でなにが変わるというのだろう。

と、思っている私だと、院長は十分わかっているだろうに、3年ほど前から年末の挨拶のおはちが私に 回ってくる。まあ、それ以上断っても大人げないので、引き受けることにする。例年は、まあ、なにか 面白い話しはないかなと考えるのだが、我々の施設は、今年10月20日、戦いに敗れ民事再生法の申請 をせざるを得なかった現実があったので、今までの、みんなで頑張ろう的なプロパガンダは結果として 失敗だったわけで、今年は、そんな話しを止め、自分の感想を述べようと思った。

10月20日の朝、私は朝のミーティングに遅れて職場に着くと院長が小児科の外来で待っていて、「今日 これから民事再生の手続をする」と聞かされました。ついにそういう結果が出たかと思ったが、その日は 法律事務所やら、その後再建のバックボーンになる組織やらのバタバタした挨拶があり興奮したまま 1日が終わりました。次の日になると結構落ち込みました、これからどうしようと。
それから2日ほどして、新しい組織での経営会議や運営会議をへて、TVの「ガイアの夜明け」好きの私は、 他の人がしたくても経験できない再建への道を自分身の回りで経験出来るのは 幸せなことだと。そうポジティブシンキングすることで自分が楽しめるようになりました。
その後、着々と再建計画が実行され、スタッフそれぞれが苦労しながら、今はだいぶ良い方向に来ています。 しかし、先日あった新組織の大忘年会に出席すると、何故か悔しい思いも心に満ちあふれてきました。
「あぁ、我々は負けたんだ!」と
でもこの再建の中で、自分が楽しめる方向を見いだそうと今はそう思っています。皆さんの苦労にも 皆さん自身が楽しめること見いだしていただきたい。

こんな話しが私の年末の挨拶になりました。集会室から出て行く参加者の足取りは、私の話のせいでか、 ちょっと重々しいな!という感じでした。

これから、海の遊び友達と年末のBBQをヨットハーバーで行います。明日も、同じような仲間と 横浜中華街で年越しの焼き肉パーティです。(いいのか、そんなんで)

2003年12月30日

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