キワムのコラム 第34回

工事現場を見る少年

幼稚園から小学校にかけて、ビルの工事現場を見ているのが大好きだったのを思い出した。

重機がどろどろの現場を動き回り、土を盛り上げ足場を作り、土台の杭をクレーンでつり下げ大きな金槌の頭が 杭を打ち付けていく、金槌の頭は打ち付けられた後何かの燃料が爆発して振り上げられまた杭のてっぺんに落下 する、その繰り返しをじっと見て目的の位置まで杭が達すると、自分がやったわけでもないのにちょっとした 満足感。日が暮れるまで覗いていて夕暮れの道を自転車で帰った。 あの頃の工事現場は今みたいにしっかり塀で囲われていることはなく、だれでものぞき込めた。溶接 の光を見すぎて、夜寝るときに目がチカチカしたこともあった。

そんな事を思い出せてくれたのが週末の逗子マリーナ、現在5月の連休前に向け40トンクレーンと給油バースの 改築中。40トンクレーンの土台となるであろう場所にパイプ状の杭を打ち込んでいたのだが、これが昔とは違い 大きな金槌の頭が上下するのではなく、大きな電気モータと錘がついた物が鉄の杭の上をつかみ、電気モータが バイブレーションを起こし、そのバイブレーションで地面(岩盤)にくい込んで行くのだ。確かに騒音も以前の ものより小さいし爆発もさせないので排気もない。ブルブル振動しながら岩盤にくい込んで行くのを眺めていた 40年たっても人間の趣味ってあんまり変わらないのだね。

私の管理者に言わせると、「飛行機でも新幹線でも窓の外見るの大好き」な私らしく、工事現場を見る少年は 今も変わらず続いているようです。

iPod用に、「山崎まさよし」2枚買いました。

2004年3月1日

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