キワムのコラム 第18回

人生のタッキング

昨日18日、逗子マリーナで今年の逗子レガッタ(3月14日、20日、21日に開催)の準備委員会を行った。

関東地域のヨットレースのシーズン開幕のレースとなる、逗子レガッタ。今年でもう8回目を迎える。この レースの主宰をするようになって、逗子マリーナヨットクラブの横のつながりがより深まり、この コミッティー・クラブの面々とプーケットにも行くことになったいきさつがあるレース。

3月の海は決して安定している時期ではなく、毎年かなりの強風に見舞われるときも多い。まだ寒い時期でも あり、強風の時はみな命の危険も感じる頃である。いままで幸い、大きな事故はなかったが小さな事故は 毎年ある。今年も大きな事故がないことを祈るばかりだ。

クラブルームで2時間ほどのミーティングの後、集まったメンバーで舟を出した。前日の雪が降った寒気が 残っているのかすかっと晴れた日だったが風が寒い。その中となりの葉山マリーナヨットクラブが主催 するクラブレースが行われていたので、ホットラムとワインを飲みながら観戦に行った。乗り込んだのは 年の順に浪川、高城、高橋(私)、大坪、服部、シノ(バイト)。還暦以上が二人、52才、37才、36才、22才と いうメンバー、オヤジ話に盛り上がる。

その中で、高城さんが、「人生でも理由のないタックはするな」というフレーズにちょっと考え込んだ私 でした。タッキングは、ヨットが風上に向かう時に90度方向転換をすること、レースの時にこのタックを どこで行うかで勝敗が決まることが多い。タックをするにはいろいろ戦術的な意味合いがあり、ここで 説明出来るものでもないが、タックの時期は一応舟の中の主要メンバーの合意で決められる事が多い。 帆を左右張り替え、クルー達がけたたましく働き回る一瞬である。

人生の中の方向転換、タッキング。理由を自分で納得して行ってきたのかなぁ。私の場合は、どうも 周囲の状況を判断してここがタックの時期だと決めたわけではなく、心が燃えているかどうかで決めて きたようだ。こんなガキのまま52才を迎えかつ私の周囲の人間がガキだと思いながらもそれを許して くれていることに感謝しよう。

これから大きなタックをすることもあまり無いだろうが、こんどそのチャンスがある時はもう少し タックの理由を考えてみようかな。

2004年1月19日

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